不器用なシンデレラ
「知ってます?もう鷹野くんのファンクラブあるみたいですよ」

 ちょっと興奮気味に話しているのは私より1年先輩の三島さん。

 ちょっとハデな感じで私は彼女が苦手だ。

「山下さん、いいなあ。金曜日鷹野くんに送ってもらったんでしょう?私ならそのままホテルまで誘っちゃうけど、何もなかったの?」

「・・・もともと家が近所で送ってもらっただけです。気分も悪くて意識もなかったし、そんなんじゃありません」

「ふうん。私も次の飲み会酔った振りしようかな」

「三島さん、馬鹿な事言ってないで仕事しなさい」

 長谷部さんが注意すると、三島さんは私に向かって悪意のある笑みを浮かべた。

「はい。鷹野くんは仕事出来ない女は嫌いみたいだし」

「・・・・」

 明らかに私への敵意を感じる。

「金目当ての女も御曹司は嫌いだと思うわよ」
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