不器用なシンデレラ
 何とか花音に言い聞かせ、誘惑するように花音にキスをして、俺にしては大胆な言葉を彼女に告げる。

「・・・・先に謝っておくけど、今夜は気分が高ぶってて寝かせられないかもしれない」

「それってどういう?」

 そんな無邪気な真っ直ぐな瞳で見つめられると、もっと意地悪言いたくなる。

「明日は足腰立たなくて仕事にならないかもね。本田さんには俺が謝っておくから」

 ちょっとお子様な花音でも俺の言葉を理解したようで、ボッと火がついたように顔が赤くなる。

花音を半ば強制的に連れて家に帰ると、親父達はもう寝ているのか灯は玄関しかついてなかった。

彼女の腕を掴んで俺の部屋のある2階に上がり、俺専用のバスルームに連れて行く。

「シャワー浴びておいで」

「でも・・理人くん先でいいよ」

「俺はこれからメールチェックするから後でいい」

バスルームのドアをバタンと閉めて自室に行くと、本田さんが届けてくれたのかスーツケースが置いてあった。
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