不器用なシンデレラ

『やあ、鷹野。今これから花音ちゃんと帰るとこ。帰る場所が なさそうだから、今夜は俺のとこに泊めるね。心配しなくてもお前のものには手を出さないから』

「・・・・」

　何で花音の携帯に本田さんが出る？

　思わず電話を切ってしまった。

　切れたスマホをじっと睨み付ける。

　そう言えば、本田さんデートって言ってなかったか？

　その相手が花音？

　他にも意味深な発言してたけど・・・・。

　それに、花音を自宅に泊める？

　一体何考えてんだ、あの人？

　もう一度花音にかけようとすると、俺のスマホが鳴った。

　大貫先輩からの着信。

　電話に出ると懐かしい声がした。

『鷹野？大貫だけど、久しぶり。元気だったか？俺、自分の店を持ったんだけど、これから来ないか。急にお前と話したくなってさ』