不器用なシンデレラ

「素晴らしいです」

　圭吾・・・お前、本当に凄いな。

　お前が死んでも、お前の夢はここにある。

「今日は本田が来たんだ。可愛い女の子連れてさ。花音ちゃんて名前の。その子、圭吾のノートの中にあった写真の女の子と似てるんだけど、圭吾の好きな子って花音ちゃんだったのかな？」

「ええ」

「本田がさ、鷹野と花音ちゃんの事を嬉しそうに話してくれてたんだけど・・・圭吾が花音ちゃん好きだったからって変な遠慮なんかするなよ」

「昔はそうでしたけど、今は違います」

　俺はきっぱり否定する。

「そっか。なら良かった。もし圭吾が生きてて鷹野が自分のせいで花音ちゃん諦めたって知ったらぶん殴ると思うし」

　きっと大貫先輩はこの言葉が言いたくて、俺を呼んだのだろう。