不器用なシンデレラ
24、プライスレス ー 理人side
 本田さんが連絡してきた見合い場所は、昨夜詩音達と会ったホテルと同じホテルだった。

「2晩続けてここか」

 思わず溜め息が出る。

 またあの親子に会いそうだ。

 少し早いしラウンジで時間潰すか。

 ソファーに腰掛けコーヒーを頼むと、目の前に詩音が立っていた。

 ああ、面倒くさい。

 ただでさえ寝不足なのに、こんな女相手にしたくない。

「納得いかないわ」

 詩音が俺の目の前のソファーに勝手に座り、俺に見せつけるように足を組む。

「何で花音なのよ!私の方がキレイだし、社交性だってあるわ。私の方があなたにふさわしいじゃない?TAKANOの御曹司の結婚相手に」
< 261 / 358 >

この作品をシェア

pagetop