不器用なシンデレラ
「要するに金と結婚したいんだろ？よそを探せば？俺は花音以外と結婚するつもりはないから」

「花音が幸せになるなんて許さない。あの子にそんな資格ないわ」

「自分の事棚にあげて良く言えるな。自分は結婚詐欺紛いのことして男から金を巻き上げたくせに」
　
「・・・・」

「今日１日調べさせただけで、お前の悪事がいっぱい出てきたよ。このホテルに宿泊してるみたいだけど、誰の金使ってんだ？ここ、安い部屋でも１泊５万はするはずだけど」

「あなたには関係ないわ」

「確かに俺には関係ない。お前もそう思うなら、早く俺の視界から消えろ。目障りだ。花音の前にも２度と現れるな。そんなに金が大事ならくれてやる」

　俺はポケットから財布を取り出すと、中にあった万札を抜き出し、詩音に向かって投げつけた。
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