不器用なシンデレラ
 今日の俺は切り札を持っている。

 俺はポケットからある写真を4枚出して、目の前のテーブルに並べた。

 それは、詩音が騙した男達との情事の写真。

 それを見た彼女の表情が急に変わった。

 詩音はすぐに写真を手に取りギュッと握り潰す。

「こいつら血眼になってお前を探してるぞ。もし、お前が花音を傷つけるようなことがあれば、こいつらにお前を引き渡す。俺はお前がどうなっても痛くも痒くもない」

 俺が氷のような冷たい声で告げると、詩音は俺をギッと睨み付けた。

「ここで油を売ってる暇はないんじゃないのか?」

「うっ・・・覚えてなさいよ!」

「もう花音と俺には近づくな。近づけば、その写真ネットにばら蒔く。いくら写真を処分してもデータが俺の手元にあるからな」
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