不器用なシンデレラ
「山下さんは鷹野の事どうするの?このまま会社も辞めて逃げるの?」

「私・・・何も持ってないから。でも私はおばあさんになってもずっと好きでいると思います。1人ぼっちが寂しくなったら、尼寺にでも入って修行しようかな?」

 花音自身が欲しいって言ってるのに、どうしたらわかるんだろう。

「早起き苦手なのに尼寺は無理だろ?」 

 それに、俺が1人になんかさせないし。

 俺は花音に向かって微笑む。

「理人くん・・・」

 俺が現れると思ってなかったのか、花音は目を見開いたままでいる。

「長谷部さんとそこですれ違いましたけど、泣いてましたよ。追わなくて良いんですか?好きなんでしょう?」

 本田さんに目を向けると、今まで見た中で最高の笑顔を浮かべた。 
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