不器用なシンデレラ
 最後まで良く聞き取れない。

 やはり救急車を呼ぶしかない。

 携帯を取り出し、すぐに救急車を呼んだ。

「もう少しで救急車来ますから」 

 おばあさんの肩を抱いて元気づける。

 だが、彼女の意識も朦朧としてきた。

 早く来て!

 自分も祖母がいるから他人事とは思えない。

 祈るような気持ちで待っていると、ようやく救急車が到着した。

 私に出来ることはもうないし、後は病院にまかせるしかない。

 運ばれるおばあさんを見守っていたら、いつの間にか私まで親族と間違われて救急車に同乗させられていた。

「あの・・私は」

「静かに。今受け入れ先の病院探してますから」 

「・・・・」
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