不器用なシンデレラ
「・・・こんな不器用な私でいいのなら、お願いします」

 花音の返事に、園児達がかん高い声で歓声を上げる。

「もう一度生まれ変わっても花音を選ぶよ」

 花音に向かって優しく微笑むと、箱を開けて指輪を取り出した。

 眠ってる時に測ったがサイズは合っているはず。

 花音の左手の薬指に指輪をはめる。

 園児達が指輪を見て騒いでいるが、俺が欲しいのは花音の反応。

 彼女をじっと見ていると、指輪の輝きに見入っている。

 男の俺にはわからないけど、やはりダイヤの輝きは女の子を魅了するらしい。

「良かった。サイズピッタリだな」

 やっと俺のものって証がつけられてホッとする。

 花音と目が合うと、園児の間からキスコールが起こった。 

 幼稚園児ってこんなにませてたっけ?

 自分の周りにこんな小さな子供はいないから、ある意味新鮮だった。

 花音は凄く困った表情をしてたけど。
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