不器用なシンデレラ
「・・・もう本当に駄目!」

 この反応、他の男には見せたくないな。

 花音を見てクスクス笑いながらも、内心自分の独占欲の凄さに驚いた。

 以前花音の部屋で俺の写真を見た時、こいつどんだけ俺の事が好きなのって思ったけど、俺も花音の事は言えないな。

 好きを通り越して愛おしい。

 だからこそ自分の一生をかけて守りたい。

 それから、ちょっと放心状態の花音を連れ出し、2人で大貫先輩の店を訪れ祝杯をあげている。

「鷹野、花音ちゃん、おめでとう。鷹野、今日車だろ?ここに泊まってけば?圭吾の設計で作ったとっておきの部屋があるんだ」

「良いんですか?」

「せっかく良いシャンパン開けたのに、お前が飲まないんじゃ意味ないだろ?泊まっていけよ。女の子が見たらきっと喜ぶぞ、あの部屋」
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