不器用なシンデレラ
彼女の緊張が伝わってきた。
この書類、書き損じは許されない。
たった1枚しかない花音の免罪符。
無事に書き上げてこそ意味がある。
記入し終えると、花音は心から嬉しそうに微笑んだ。
「理人くん、ありがとう」
幸せそうな花音の笑顔を見て、これであの親子から解放されたって思った。
これには親父に感謝しなければいけない。
「花音さえ良ければ、明日一回うちに戻ってから役所に提出しよう」
「うん」
「親父とお袋の事は、もうお父さん、お母さんって呼べよ。あの人達、お前にそう呼ばれるのを密かに楽しみにしてるから」
「うん。だけど・・恥ずかしいな」
「式は雅代さんの喪が開けたら、このレストランで挙げないか?」
この書類、書き損じは許されない。
たった1枚しかない花音の免罪符。
無事に書き上げてこそ意味がある。
記入し終えると、花音は心から嬉しそうに微笑んだ。
「理人くん、ありがとう」
幸せそうな花音の笑顔を見て、これであの親子から解放されたって思った。
これには親父に感謝しなければいけない。
「花音さえ良ければ、明日一回うちに戻ってから役所に提出しよう」
「うん」
「親父とお袋の事は、もうお父さん、お母さんって呼べよ。あの人達、お前にそう呼ばれるのを密かに楽しみにしてるから」
「うん。だけど・・恥ずかしいな」
「式は雅代さんの喪が開けたら、このレストランで挙げないか?」