不器用なシンデレラ
「ここって、理人くんの親友だった大貫くんの設計なんだってね。私もこんなお城みたいに素敵なところで式が挙げられたら嬉しい」

「だそうです。大貫先輩、宜しくお願いします」

 俺が頭を下げると、大貫先輩は優しく微笑んだ。

「光栄だな。花音ちゃんのウェディングドレス姿綺麗だろうね」

「なるべく他の男には見せたくないですけどね」

 俺が苦笑すると、大貫先輩はそんな俺を笑い飛ばした。

「あはは、鷹野、心狭すぎ。まあ、これだけ可愛かったら気持ちはわかるけどね。今日は腕をふるうから楽しんでって」

 大貫先輩の料理をデザートまで楽しむと、彼は俺達をある部屋に特別に案内してくれた。

 ドアを開けると、まず目に飛び込んできたのは淡いピンクの天蓋付きベッド。

 家具もヨーロッパから取り寄せたのか、アンティークの品の良いものが揃ってる。

 確かに、これは女の子が喜ぶ。

 すでに花音のテンションが上がっていた。
< 283 / 358 >

この作品をシェア

pagetop