不器用なシンデレラ
「離したらシステム部の島田とでもホテルに消えるの?」

「・・・・」

 システム部の島田さんは先週一緒に食事しただけだけど、何で要が彼の事を知ってるの?

 私が要の方を見ると、彼は深い溜め息をつきながら言った。

「だったら、俺が教えてやる」

 そのまま要に高級ホテルに連れ込まれ、一緒に一夜を過ごす。

 甘い言葉も、甘いキスもない。

 お互いほとんど無言。

 朝になると私が先に起きて勝手に帰る。

 そんな関係がここ数ヶ月続いている。

 その間も要の女の噂は絶えない。

 どうやら私は世間で言うセフレになってしまったらしい。

 虚しい関係。

 それなのに私からこの関係を終わりにしたいと言えないのは、私が要を好きだからだろうか。
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