不器用なシンデレラ
 私の脳は今のこの状況をあまり理解出来ていない。

 この般若みたいな顔してるのが要?

 何で要がここにいるの?

 それに人の女って誰よ?

 ああ、もう考えたくない。

 もうなんかどうでもいい。

 ・・・・眠い。

「もう寝る」

 勝手に宣言して、私は要の腕の中というのも考えず意識を手放した。

「ほらね。こんな女、俺くらいしか相手出来ないでしょう」

 そんな私の寝顔を見て、要が嬉しそうに呟いていたなんて私は知らない。

 目覚めたら見慣れたベッドの上で、隣にはバスローブを着た要がいてニコニコしながら私を見ていた。

 酔いはすっかりさめている。

 ここはいつも要と泊まる部屋だ。
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