不器用なシンデレラ
 優しいキスに涙が溢れそうになる。

 だが、そんな感動もつかの間、要がとんでもない発言をした。

「ご飯がないと俺生きてけないんだよね。だからさ、俺達結婚しない?」

 相変わらず私をご飯に例える要にムッとする。

「・・・・訳わかんない」

 これがプロポーズとしたら軽すぎる。

 からかってるとしか思えない。

 私の涙も引っ込んだ。

 女ったらしの要が結婚?

 妊娠もしてないのに?

 しかも私?

 あり得ない。

 奴が私なんかで満足するわけない。

「じゃあ、俺の本気教えるから。お前も素直になれ」

 私の思考を読んだのか、要がニヤリとする。

 これは、何か企んでる時の顔だ。

 この展開についていけない。
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