不器用なシンデレラ
 ホント素直じゃない。

「・・・・」

 なら、俺から言ってやる。

「俺は彩の事好きだよ。お菓子は飽きるけど、ご飯は飽きないだろ?多分、50年経ってもお前には飽きない自信ある」

 彩がご飯に例えたことを根にもってたようなので、あえてその例えを持ち出す。

「何調子の良いこと言ってるのよ!」

 彩がかなり動揺している。

 怒っててもキレイなその顔。

 触れずにはいられない。

「本気だよ。今夜こそお前の口から俺が好きって言わせてみせるから」

 悪魔のような微笑を浮かべ、彩に顔を近づけてそっと口付ける。

「・・・・」

 彩が俺のキスに驚いて黙り込む。

 こいつとキスするのそう言えば初めてだったな。

 そう考えると、俺って酷い男だったな。

 身体だけ求めて・・・・。
< 310 / 358 >

この作品をシェア

pagetop