不器用なシンデレラ
 でも、もう俺は悩まない。

 今欲しいのは1つだけ。

「ご飯がないと俺生きてけないんだよね。だからさ、俺達結婚しない?」

 俺が人生初のプロポーズをしてるのに、何故か彩は仏頂面になる。

「・・・・訳わかんない」

 ご飯に例えたのがそんなに気に食わないのか?

 俺にとっては最高の誉め言葉だけど。

「じゃあ、俺の本気教えるから。お前も素直になれ」

 彩に向かってニヤリと笑うと、俺は彼女の唇をむさぼった。

 こんなに美味しいもの他の男には絶対にやれない。

 身体中隈無く愛しながら「愛してる」って何度も甘く囁く。

 他の女にはそんな言葉言った事もない。

 彩もそんな俺についに降参したのか、俺が欲しかった言葉を呟く。

「要・・・好き」
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