不器用なシンデレラ

　身に覚え・・・・大有りだ。

　プロポーズした日、俺は故意に避妊しなかった。

　それで出来たのだとしたら本当にタイミング良かったんだな。

「鷹野、後頼む」

「俺に頼むと高くつきますよ。早く病院に連れて行った方がいいんじゃないですか？」

　鷹野の返事も聞かず、俺は急いで喫煙室に向かう。

　いつもだいたいこの時間、彩が一服しに来るのだ。

　喫煙室に入ると、真っ先に彼女がタバコに火をつける姿が目に飛び込んできた。

「お前今日から酒とタバコは厳禁だから」

　慌てて彩の指からタバコを奪い、灰皿に捨てる。

「ちょっと、何するのよ！」

　折角の息抜きを邪魔された彩はかなりご立腹だった。

「だから、当分酒とタバコは禁止」

「はあ？訳わかんないわよ」