不器用なシンデレラ
「ここで言って良いの?」

「もったいぶらずに言いなさいよ」

「じゃあ、遠慮なく」
 
 俺はニヤリと笑う。

「お前、今月生理きてないだろ?」

「・・・・」

 俺の質問に彩は黙り込み、周りでタバコを吸ってた連中が一斉にむせた。

 さすがに彩も俺の質問の意図がわかったようで、顔から血の気が引いていく。

「かーなーめー!」

 彩が俺をキッと睨み付けて叫ぶ。

「落ち着いて。そんな大声で叫んだら貧血で倒れるぞ」

「落ち着いてられるか!」

「大丈夫。問題ない。お前の親父さんにはさっき結婚の了解を得たし。俺も良いパパになると思うよ」

「そう言う問題じゃない!」

 彩が俺のネクタイを掴んで食ってかかる。
< 314 / 358 >

この作品をシェア

pagetop