不器用なシンデレラ
「圭吾は高2の時には自分の事わかってたと思う。だから、幸せになれよ。圭吾の設計したチャペルで」

 大貫先輩が俺の肩を優しく叩く。

 俺は涙を拭うと、彼に向かって深く頭を下げた。

「ありがとうございます」

「そろそろ時間だ。チャペルに行こう。花音ちゃんのウェディングドレス姿楽しみだなあ」

 本田さんが俺に向かってにっこり微笑む。

「もう奥さんいるんですから、花音で変な妄想しないでくださいよ」 

 本田さんの目がちょっと嫌らしかったので冷ややかに釘を刺す。

「綺麗なものを目で愛でるぐらいいいじゃないか」 

「・・・・なんかその言い方エロい」

「お前ね・・・・」 

 大貫先輩がパンパンと手を叩く。

「二人とも!仲が良いのはわかるけど、花音ちゃん待たせるなよ」

 大貫先輩の後をついてレストランの敷地内にあるチャペルへ向かった。
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