不器用なシンデレラ
 もともと綺麗な人だけど、妊娠がわかってから益々綺麗になった。

 彼女からは幸せオーラが出ている。

 私は何で妊娠しないんだろう。

 そんな気持ちに蓋をして、ヴァージンロードをお父さんと一緒に歩く。

 私を見た理人くんの表情が一瞬だけ険しくなった。

「・・・やっぱり怒ってる、このドレス?私は恥ずかしいって言ったんだけど・・・・」

 ドレスがかなり胸元も開いていて理人くんに怒られると思ったけど、私の目を見て彼は優しく微笑んでくれた。

「可愛くてキレイだから今日だけは許す」

 理人くんに褒められて、自分の隠し事の事もこの瞬間は忘れた。

「愛してるよ、奥さん」

 誓いのキスの時は、理人くんに耳元でそう囁かれると胸がドキッとした。

 すでに入籍していてもこういう場面はまだ慣れない。

 キスの余韻に浸っている時は、すごく幸せを感じてた。
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