不器用なシンデレラ
「甘えん坊だな。でも、いつもこうだと俺も嬉しい」

 理人くんが私に優しくキスをする。

 心のこもった温かいキス。

「俺はいつも花音の側にいるんだから、もっと甘えていいんだよ」

 その言葉にいつも以上の愛情を感じる。

 こんなに大事にされてるのに・・どうして私は理人くんに言わなかったのだろう。

 彼の愛情を裏切ってるじゃない。

 理人くんに正直に流産の事を言わなければ。

 そう思った。

 式を挙げたばかりなのに暗い話になるけど、これ以上隠しているのは逆に辛い。

「・・理人くん・・あのね、私・・言わなきゃいけないことがある」

 私が口を開くと、理人くんは私の唇に指を当てた。

「知ってる。この先は言わなくていい。花音の異変に気づいてたから」

「・・・・」
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