不器用なシンデレラ
 本田さんと俺の基準がそもそも違いすぎる。

 俺は花音以外の女に興味ないし。

「うん。彩公認なんだよね。ああ、俺いい嫁さんもらったな」

「・・・ある意味、彩さんの手のひらの上で踊らされてますね」

「はは。まあ、彩にならいいんだけどね」

「ご馳走さまです。本田さんの口からそんな言葉が聞けるようになるとは思いませんでした」

「お前ね。俺の事を何だと思ってるの?」

「ただの女好き。うちの琴音も抱っこ禁止ですよ。悪い虫には気を付けないと」

「おいおい、虫扱いはひどいんじゃないか?俺はこれでもお前の上司なんだけど」

「この数ヶ月、何かと育休取ってた上司のフォローをしたのはどこの誰でしょう?」

「うっ!・・・・鷹野さまです」

「ですから、俺も来週からフレックス使いますね。夜の接待は俺抜きでお願いします」

「鷹野、そんな事言わないでさ。俺も来週休み取りたいんだよね。紗良の検診に一緒に行きたくてさ」
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