不器用なシンデレラ
「やられ損て酷くない?」

「人のファーストキス奪う方がよっぽど酷いです」

「気を失う寸前だったから口移しで水飲ませたんだけど。感謝して貰いたいな」

「・・・・」

「好きな男としたかったんだろう。じゃあ、俺の事好きになればいい」

「そんな簡単に好きになりませんよ!」

「はいはい。じゃあ、帰るよ。もう暗いし送ってく。生理痛だって酷いんだろ?」

「小鳥遊先輩!」

 私が顔を真っ赤にして怒ると先輩はクスクスと声を出して笑った。

「小鳥遊先輩じゃない。蓮だよ」

「呼びませんよ」

 私が拒否すると、悪魔なこの人はからかい半分で私を脅す。

「じゃあ、このまま送って行って琴音のご両親に彼氏ですって挨拶しようか?」
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