不器用なシンデレラ
「私・・・・」

「本当はね、うちに来てくれるんじゃないかって花音ちゃんが大学卒業した時から待ってたの。もう就職してるのに困らせるような事言ってごめんなさいね」

　安田先生は全然悪くない。

　私も大学卒業して幼稚園の先生になるつもりだった。

　でも、どうしても・・・理人くんを諦めたくなかった。

　未練だな。

　告白もしてなくて、どうしても忘れられなかったんだ。

　私の行き場のないこの想い。

　彼とこれ以上離れたくなくて、TAKANOに入った。

　会社の最終面接は社長・・・理人くんのお父さんと１対１だった。

　おじさんはそんな私の気持ちを知っても雇ってくれた。

「道はいくつもあるから。何か知ってからでも遅くはないか。それに、あれにも刺激は必要だしね」

　そう謎の言葉を呟いておじさんは笑ってた。

　わからない。
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