不器用なシンデレラ
いつの間にかスーツを着崩した理人くんが髪を乱しながら霊安室に入って来て、私を見つけるといきなりギュッと抱き締めてきた。
普通なら飛び上がって喜ぶところだが、そんな感情さえ今の私にはない。
「悪い、遅くなった」
理人くんは状況をすでに理解しているのか、余計な事は何も言わない。
「・・・おばあちゃん、すっかり冷たくなっちゃった。私・・おばあちゃんの最期看取れなかったんだ」
私ってきっと神様に見放されてる。
おばあちゃんに最期の挨拶も出来ないなんて。
「・・・今日ね、おばあちゃんが作ってくれたお味噌汁、時間がないからって残したんだ。こんなことなら全部ちゃんと食べれば良かった。もう食べたくても食べられないのにね」
私は笑ってみせる。
そんな私の言葉に、理人くんは静かに相槌を打った。
普通なら飛び上がって喜ぶところだが、そんな感情さえ今の私にはない。
「悪い、遅くなった」
理人くんは状況をすでに理解しているのか、余計な事は何も言わない。
「・・・おばあちゃん、すっかり冷たくなっちゃった。私・・おばあちゃんの最期看取れなかったんだ」
私ってきっと神様に見放されてる。
おばあちゃんに最期の挨拶も出来ないなんて。
「・・・今日ね、おばあちゃんが作ってくれたお味噌汁、時間がないからって残したんだ。こんなことなら全部ちゃんと食べれば良かった。もう食べたくても食べられないのにね」
私は笑ってみせる。
そんな私の言葉に、理人くんは静かに相槌を打った。