不器用なシンデレラ

「鷹野、お前は別格なんだから他の新人にも同レベル求めるなよ。まだ配属されて１ヶ月も経ってないのに。山下さんも落ち込まない。普通、新人はみんなそうさ」

　本田さんが私の肩にポンと手を置いてにっこり笑う。

「課長、それセクハラですよ。どさくさに紛れて山下さんに触らない」　
「長谷部、それは誤解だよ」

　本田さんと同期の長谷部さんがキッと彼を睨む。

　すると、本田さんは私からすぐに離れた。

「山下さん、こいつの半径１メートル以内に入ったら妊娠させられちゃうから気をつけるのよ」

　長谷部さんの言葉に島のみんながうんうんと頷く。

「・・・はい」

　どれだけたらしなんだろう。

　でも、私みたいな女、相手にするほど本田さんは女に困ってはいない。