不器用なシンデレラ
 ちょっとムキになって否定すると、三島さんの内線が鳴った。

「はい、三島です。・・・え!もうすぐ定時なんですけど。今からB社にカタログですか?私・・・あそこの部長キライなんですよね。目がやらしいっていうか」

 最初、不機嫌そうに三島さんは話していたが、何か閃いたのか受話器を耳に当てながら私の方を見る。

 そして、口角を上げほくそ笑んだ。

「でも・・・良いですよ。ちょうどいい人見つかりました」

 電話を切ると三島さんは私に意地悪く言った。

「山下さん、どうせ今日暇でしょう?B社の部長にカタログ届けて来てくれない?」

「でも、私・・・本田さんに1人では行くなって言われてて・・・・」

「今日は契約書じゃなくてカタログよ。ただ届けるだけ。犬にだって出来るわ。それに本田さんは今アメリカよ。電話してもすぐに確認取れないでしょう?私は今夜合コンなの」

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