不器用なシンデレラ
 だが、相手はニタニタ笑いながら私に近づいてくる。

「いや!触らないで!」

 私が部長さんの手を再び振り払おうとすると、両手を掴まれた。

「教育がなってないな。僕が君の上司の代わりに躾てあげるよ」

 怯える事しか出来ない私を見て、部長さんは楽しそうに笑う。

 その目が残酷な色に染まっていくのを、私はただ見ている事しか出来なかった。
< 99 / 358 >

この作品をシェア

pagetop