【BL】世界の終わりで君と。



居ないんだ。


何処にも君が。




――それは突然の連絡だった。



あの日、君が遊びに来るはずで。

僕は鼻唄なんて歌いながら、ちょっとした晩御飯を作ったりなんかして。

バイトが終わった、と君からのメールでちょっと一人で嬉しくなって。



だけど、君が僕の家に来ることはなかった。


代わりに来たのは、


『………車に、轢かれて、即死だって』


と言う涙ぐんだ、君のお母さんからの連絡だった。


僕は返事をすることも出来ず、受話器を耳に当てたまま、現実を受け止めきれなかった。


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