美しいヒト
早業だった
女の子はびっくりして固まってたいたけど
顔を上げて
ロウを視界に入れた瞬間
頬が薔薇色に染まった
ロウも彼女を食い入るように見つめてた
二人だけの空間っていうのか、邪魔すんなっていわれてるような錯覚まで覚えた
胸がズキって痛む
何度か、ロウが堕ちる瞬間はみてきた
その度に痛む胸のズキズキは抑えられない
締め付けられる胸に
痛くて、痛くて叫びそうになる
「‥‥‥大丈夫か?」
「‥‥は‥‥、‥‥い。大丈夫です」
「そ。名前は?」
「柚木 梨乃。あなたは?」
「豪宮守 ロウ」
私をほったらかして
とんとんと話が進んでいった
そのときの私は私だけ放置ってのが気に触って
ロウを呼んでいた
「ロウ、紹介して」