20歳



毎日の作業に追われる日々




でも、嫌気がさしたり
辞めたいなんて思うことはなく
むしろやればやるほど
仕事にのめり込んでいた。






そんなある日、事務所にいくと
仲良しの総務の高橋さんが
話しかけてきた。




「市川さんって、ハナセミまだだよね?」

「え?」


ハナセミ


前に先輩が言ってたあれだ!

話し方セミナーとか
スピーチするとか…



正直絶対行きたくないと
先輩の話をきいて思っていた。







「あー、まだです。
でも、行きたくないです!」



「どうして?
結構たのしいよ?」


「いや、私スピーチとか
むしろ初対面の人と話すのも
苦手なんですよね。
気遣うじゃないですか」


「皆はじめはそう言うんだよ。
でも、そういう人こそ
行ってほしいからね

決まりだね!」



「えっちょっと待ってください!
本気で嫌なんです!
他に行きたい人いるでしょ!」



「まぁまぁそう言わず♪」



「いや、ほんまに無理ですよ!
私そういうの向いてないんで…」



その時だった。
横槍を入れるかのように
間を割って入ってきた。


「何でやな。
ほんまに楽しいで?

よし、社長命令!
ハナセミは市川さんに
行ってもらいます♪」



この人はうちの社長
高橋一家の次男
長男は今の会長で
代々高橋一家が後を継いでいる。




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