恋するウサギ
第1章 僕の家
  僕が小学生の頃、クラスで白いウサギを飼っていた。

名前は、ポン太とかいった。誰がつけたかは忘れたけど、今思えば、タヌキみたいな名前だなあ。

見た目は、ふつうのウサギなんだけど、ひとつだけポン太には特技があった。

それは、死んだフリをする、という技。

特に理由もなくポン太は、いきなり死んだフリをしているように見えたが、僕にはわかっていた。

あいつは、都合が悪くなると、死んだフリをしていたのだ。

クラスのみんなは、面白がって、「カワイイ〜!」だの、「おっもしれー」だのと言って騒いでいたが、僕は奴を見て、一度もカワイイともオモシロイとも、思ったことはなかった。

僕はポン太の事が、大キライだったのだ。

都合が悪くなると逃げるところが………



僕にソックリだったから。





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