SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
「はい、ここ、間違ってる。」
威厳はなくても、講師は講師。
敬いたまえ、―――。
なんて、ね。
「潜在の対義語、違ってるよ?」
「わ、誤魔化した。」
自主学習する生徒たちの為に、授業のない空き教室が解放される。
毎回違った教室になるけれど、ここに集まってくる生徒はだいたい決まっている。
今日は私の受け持つ授業は、なし。
そういった手の空いた講師がこうして見回って、質問に答えたりするのだ。
「何でいないの?
モテなくはなさそうなのに。」
すっかり彼氏がいないと認定されてしまった。
まあ、彼氏、…じゃないから当たってはいるんだけど。