SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~



「先生、可愛いのにね?」



何となくフォローしてくれてるのかな。


そんな無邪気さが眩しすぎて、私は少し羨ましくなる。



「顕在、――。

うん、須田さんはあってるよ。

じゃあ、普遍の対義語は?」


「えーっと、特殊。

ね、いつからいないの?」



どうやらこの質問から解放してくれる気はないらしい。


しょうがないか。


これくらいの年頃って、男の子の話題がほとんどだもんね。



「うーん、どれくらいかな。」


「好きな人は?」


「ほしいとは思うけど、今はいいかなぁ。」


「ええーっ、今はいいとか、せんせ、どれだけ枯れてんのっ??」



甲高い笑い声が教室に響き、思わずしーっと、人差し指を立てた。


< 12 / 363 >

この作品をシェア

pagetop