SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
「先生、可愛いのにね?」
何となくフォローしてくれてるのかな。
そんな無邪気さが眩しすぎて、私は少し羨ましくなる。
「顕在、――。
うん、須田さんはあってるよ。
じゃあ、普遍の対義語は?」
「えーっと、特殊。
ね、いつからいないの?」
どうやらこの質問から解放してくれる気はないらしい。
しょうがないか。
これくらいの年頃って、男の子の話題がほとんどだもんね。
「うーん、どれくらいかな。」
「好きな人は?」
「ほしいとは思うけど、今はいいかなぁ。」
「ええーっ、今はいいとか、せんせ、どれだけ枯れてんのっ??」
甲高い笑い声が教室に響き、思わずしーっと、人差し指を立てた。