SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
◇ 5
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酷いのどの渇きで、目が覚めた。
カーテンから射し込む光が、明るい。
もう、お昼近いのかもしれないな。
「……っ。」
ゆっくりと身体を起こして、ベッドから離れた。
「あー、……。」
昨夜の痕跡の後が、部屋中に散らばっている。
どこから見たって、誰かを部屋に入れたことは明確で。
何とかしなきゃ、―――。
片足でキッチンまで移動し、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出した。
冷たい液体が、喉を潤していく。
少しぼやけた頭も、目が覚めたのかしっかりと動き出した。
時計の針は、11時過ぎを指している。
もうすぐ。
大哉が、くる、―――――。