SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
昨日の夜に見た時よりも明るいからか、衝撃の大きさがよりわかる。
擦った傷が細かく入り、液晶も割れていた。
「…酷いね、これ。」
けらけらと顔を見合わせながら、私も2個目のプリンに手を伸ばす。
「新しくしたら連絡するって、ママに言っといて。
怪我したとかは言わなくていいから。
携帯、落として壊れたとか、適当に誤魔化しといてよ。」
「はいはい、――――。
でも、それ、病院行かなくていいの?」
「大哉が来たら、連れてってもらうから。」
「そういえば今日、大哉さんは、――――?」
私と大哉のことを知っているのは、澄玲と奏多君だけ。
あの頃の私たちを知っている二人は、私と大哉のことを責めなかった。
いや、―――――。
責めなかったというより、何も言えなかったんだと思う。
「たぶん、もう少ししたら来ると思う。」
「そうなの、―――?
じゃあ、私もそろそろ帰ろうっと。」