SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
「えっ、もう帰んの?」
「デートなのっ、―――。
お姉ちゃんの所に行くって言って出てきたから、そこらへんよろしくね。」
「あははっ、そういうことかっ。」
慌ただしく食べたものを片付けて、私の為にもう一度コーヒーを淹れ直してから、澄玲はばたばたと帰って行った。
澄玲と話したからか、ほんの少しだけ気持ちが落ち着いた気がする。
大哉、――――。
何時頃、来るんだろう…。
メール、きてるかもって手を伸ばしてから気付いた。
携帯、壊れてるってば。
日頃の癖なのか、やっぱり携帯に依存してるんだなって、ちょっと可笑しくなってしまった。
ふわあーっと大きな欠伸をして、時計を見る。
何だかんだいっても、寝不足気味…。
身体が熱いのは、まだ体内に籠る熱のせいかもしれない。
八木君の用意してくれた解熱剤を飲んで、リビングから出る。
ちょっとだけ、いいよね…?
ほんのちょっとだけ横になろうと、ベッドに入って目を閉じた。