SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
みんな違う高校なのに、よくこの5人が集まるってことは…。
お互いに意識しちゃう子がいるのかなー、なんて。
予想としては、佐伯さん、星野君、辺りかな。
私は密かに、観察中。
「先生、教えて、―――。
これ、不吉と不穏、どっち?」
背中越しに聞こえた声に振り返り、そっと彼女たちのそばを離れた。
「はーい、今、行くね。」
良かった。
あのままだと、いろいろ聞き出されそうだったし。
こういう時の上手い返し方、もっと上手にならなきゃ。
「どこの問題?」
「あ、ここ。」
質問をしてきた、八木君の前に座った。