SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
嬉しくて、嬉しくて。
大哉の胸に、そっと手を触れて。
そのまま頬を寄せ、規則正しい胸の音に静かに耳を傾けた。
「愛してるよ、亜澄。」
穏やかな声色に、胸がきゅんと疼いた。
幸せだなって、思ったの。
明日も大哉がここにいる。
毎日、毎日、会えるって、――――。
太ももを撫で上げる指先に、身体もどんどん熱を帯び始める。
「…大哉。」
そっと顔を上げて。
大哉の瞳を、覗き込んだ。
その、刹那、――――。
「……っ!!」
その瞳が自分に向けられているのではないことに、気が付いた。