SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
◇ 大哉 2
◇ 大哉 2
「今日ね、――――。」
久し振りに、家に遊びに来た飛鳥と一緒に、キッチンに立つ。
夕飯に添えるらしいスナップエンドウの筋を取りながら、飛鳥は小さな声で呟いた。
「嬉しいこと、あったんだ。」
「ん、―――?」
手を止めて飛鳥を見下ろすと、何故か耳まで赤い。
「どした?」
シンクに手を置いて、飛鳥の方へ身体を向けた。
昔から、そうだ。
飛鳥は、――――――。
何か相談したいことがある時は、まず最初に、僕に話を持ってくる。
朝陽に話すのは恥ずかしいらしく、奏多は論外なんだと。
また学校で何かあったのか、仕事で何かあったのか…。
でも、耳まで赤いって、何なんだ??