SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
「飛鳥、―――。
全然変わんないな、怒るとすぐに膨れるし。」
「怒ってないもんっ。」
僕の方を全く見ようともしないで、飛鳥はエンドウ豆の筋をグリッと引きちぎった。
「豆にあたんなよ。」
飛鳥の反応が可笑しくて、つい声を出して笑ってしまう。
「もうっ、―――!!」
このままじゃ、エンドウ豆が全部引きちぎれてしまう。
でも、こんな時間も楽しいよな、なんて思う僕は…。
既に飛鳥という器に、足を踏み入れてるんだろうなと思ってる。
「どした?何があった?」
「もう、言わないっ。」
「言ってくれなきゃ、心配になるだろう?」
手を伸ばせば、すぐに抱きしめることが出来るのに。
それが出来ないことが、本当に悔しいよ。
僕らは、従兄妹、だ―――。