SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
「やめて、って。」
「え、―――?」
「亜澄ね、やめて、って言ったの。」
「は、―――?」
「そんな胸がきゅんきゅんするような仕草、しないでよって怒りながら言うの。」
「え、―――?
何、それ、どういう意味?」
「あのね、―――。
もう、飛鳥、わかってない。
そんな顔されたら、私、ときめく!!
何でもいう事、聞いてあげたくなるでしょ、って私は男か。
だって、――――。」
ぶはっ。
二人して、吹き出して。
自然と僕の腕の中に入り込む、飛鳥にドキンとして。
「亜澄ね、呼び出された時に言い返したんだって。
でもね、玉砕したって。
怖い子たちにビビりながらも、私と一緒にいると楽しいって言ってくれたんだって。
ねえ、大哉君っ。
こんなこと、初めてで、どうしていいかわかんない。」
「……っ。」