SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
次の日から、――――。
飛鳥は家にあまり寄り付かなくなった。
撮影がない日は、その裕木さんとやらと、学校帰りにどこかに行ってるらしい。
「放課後デート、らしいよ?」
相変わらず暇な奏多だけが、何故かここにやって来て、ついでに晩飯まで食っていく。
「大哉、――――。
頼む、女、紹介して?」
「うっせ。」
「お前、モテんだろーっ。
ちょっとぐらい紹介してくれよ。」
「そんなのいたら、家でお前と飯なんか食ってないし。」
「ケチ。」
何だよ、奏多の方が絶対モテるだろうに。
まあ、正直、―――。
僕ら下っ端二人は、飛鳥の面倒を見ろと子供の頃から言われ続けてきたわけで。
飛鳥がいないとなると、必然的に暇になるってわけ。
「いつまで続くかね?」
「実際、どうなんだよ、その裕木さんて子。
お前、会ったことあるんだろ?」