SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
「アシュリー…。」
『The Secret Garden』というこのゲーム。
まさか、知っている人がいたなんて。
じんわりと嬉しさが、こみ上げてくる。
中学の時から使い続けてきたけれど…。
みんな、気にも留めなかったよ?
ゲームに出てくるキャラだなんて、誰も知らないだろうって思ってたから。
「裕木、さん…?」
無反応な私に、西田さんは首を傾げる。
そんな仕草も、いちいち可愛いなぁ、なんて。
まるで、西田さんに群がる男子生徒のような視線で、私は息を殺してその瞳に魅入っていた。
「え、あの…。」
「あっ、ごめんなさいっ。
う、うん。そう、『The Secret Garden』。
西田さん、知ってるんだ。」
「うん、好きなの、このシリーズ。」