SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
「お前じゃないって、思ったよ…。」
「…っ!!」
「お前がそんなヘマ、するわけないってな。」
「飛鳥は……。」
「…今、家じゅう大騒ぎだよ。
他のやつに聞かされるより、―――。
俺から聞いた方がましだろ…?」
「…ああ。……だな…。」
頭を抱え込むようにして項垂れた俺を、奏多が抱き寄せる。
「どうする、大哉。」
「どうするって言われても…。」
「だよな。」
奏多の、乾いた笑いが…痛かった。
「…しゃあねえな。」
「いいのかよ。」
「同意の上ってことじゃん。」
「だな。」
「俺が悪いんだろうな…。」
「…女はわからん。」
バンバンと背中を叩かれた後、不意にソファから奏多の重さが消えた。