SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
「また夜に戻ってくるから。」
心配そうに私を見つめる大哉に、小さく頷いて。
そっと唇に落とされた、触れるだけのキスにちょっぴり泣きそうになる。
「そんな顔、しないの。」
「だって……。」
「何だよ、―――。
亜澄が甘えてくることなんか、あんまりないのに。
そんな顔されたら、俺だって休みたくなるじゃん。」
ふわっと口角が揺れて、私が一番好きな大哉の表情になる。
「早く戻って来てね。」
「亜澄からそんなこと言われるなんて、信じられない。
終わったら急いで帰ってくるよ。」
「ん…。」