SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
「…先生…。」
ほんの少し目を見開いて、そして。
「ふっ…。」
何だかほっとしたような、困ったような顔をして、八木君は笑った。
「葛西は?」
「授業中。」
「そっか。」
「あのね、―――。」
「うん、わかる。」
「えっ。」
「聞きに来たんだろ、いろいろと。」
「…っ。」
八木君の視線は真っ直ぐで、つい私の方が目を伏せてしまう。
「聞きに来なきゃ、好きで依存してんだなって。」
「…どういう…。」
「もうわかってんじゃないのかよ。」
「…っ。」