SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~

「知りたかったら自分で来るだろうなあって思ってた。

だけど、先生が、――――。

葛西にどっぷり嵌まり込んでるんなら……。

俺のこと、無視するだろうなって。」


「…っ。」


「でも、―――。

本当に来るとは思わなかったよ。

ここ最近の葛西、あれ、おかしいもんな。」



八木君は…気付いてたんだ。



「ははっ…。」



何も答えられない私を、八木君は見透かしたように笑う。



「何？何が知りたいの？」


「あのっ…。」


「ばれたら…。

次はもう、俺、逃げ場がないから。」


「…っ。」


「時間、ないんでしょ？」